Monday, May 16, 2016


次男の苦しみと悲しみ (3)「悪質」のコーチと「軽い」社長



早く次男の怪我の状況を知りたかった私たちは、次男へ会いに行きました。3年ぶりに時間をかけて次男とゆっくりいろいろな話をすることが出来ました。まず、怪我の状況は110日から始まった治療の成果を調べるため、222日にMRI検査を受けました。検査の結果は残念なもので、約1ヶ月半治療を行ったものの、むしろ状況が悪化しているという結果が出ました。この結果にはショックを受けましたが、さらにショックを受けたのは次男との話で出てきた東京マネジメント会社に関することでした。何と、この会社に次男を紹介したのは、ヴェルディのコーチスタッフの方だったのです。このコーチスタッフの方は、次男がヴェルディに入団した時から注目をしていたようです。次第に次男と仲良くなっていき、ヴェルディの内部の秘密を話したり、ヴェルディの多くの欠点などを次男に話していたようです。また、次男がヴェルディに入団した2年目には、このヴェルディのコーチスタッフの方が次男(当時16)をその東京マネジメント会社に紹介し、たびたびその会社社長に次男を会わせていたようです。その時に、いろいろな話をしながら豪華な食事をご馳走していただいたこともあったようです。この話を初めて聞いた私と妻は、大変大きなショックを受けました。それは、次男がヴェルディのコーチスタッフの方とその会社社長の2人に、大変強く影響を受けていると感じたからです。ヴェルディに対して不信感を持っている私は、その不信感を次男には一切見せずにアドバイスをしました。それは、ヴェルディに対する忠実さを持って、そしてヴェルディのために一生懸命頑張りなさいということです。この話をした後、次男から聞いたことを確認するためにヴェルディのコーチスタッフの方と、その会社社長と直接会おうと考え、2人に連絡を入れて3人で会うことになりました。次男から聞いたことを確認するように話を聞きましたが、2人の話を聞いて大きなショックを受け、また悲しく切ない思いになりました。まず、ヴェルディのコーチスタッフの方が私に、ヴェルディ内部の多くの欠点の説明をし、次男をそのままヴェルディに置いておくとサッカー選手として将来がないと強く私に言い聞かせました。そしてさらに、ヴェルディには次男のような良い人材を「育成」させる指導者がいないという説明も行いました。だから早めに次男を助けるために、ヴェルディから撤退させてヨーロッパでプレーできるようにしましょうと、話してきました。私はこの話を聞いて、このコーチスタッフの方に不安を感じました。なぜなら、ヴェルディで働いてヴェルディから収入を得ているはずの人が、どうして私にこのような絶望的な話しをするのだろうかと思ったからです。なぜ未成年者の次男に、このような話しを行うのだろうかと思い、私はこのスタッフの方を「悪質」な人間と見てしまいました。

一方、スポーツ選手東京マネジメント会社社長の話しも聞きましたが、非常に「軽い」社長だと感じました。この社長は、次男を商品化して儲かるという考えがあり、たくさんの甘い話をしてきました。例えば「あなたの息子の(DNA)は日本人だけではないから、日本でプレーさせるのはもったいない」とか「あなたの息子は優しい子だから、日本よりサッカーのレベルの高い国でプレーさせたい」という話をしてきました。約2時間、この2人と話をした後に、ますます心配になり悩みましたが、それを2人に見せずにとにかく次男は今怪我をしているので、しばらくの間様子を見ましょうと、2人に話してその日は終わりました。

コーチスタッフの方と東京マネジメント会社社長と話をしてから、さらに私は不安になっていきました。というのは、この2人は未成年者の次男のことを計画的に考えている印象を受けたため、ずっと次男に強い影響を与え続けるのではないだろうかと思ったからです。そしてこの2人と会って話したことを、ヴェルディの強化部長に伝えなければならないかどうかということに悩みました。もし、強化部長に伝えたことが2人に知られたら、次男はいじめを受ける可能性が高いと思いましたし、伝えなければ離れた沖縄に暮らしている私が次男の状況を追跡できず、次男は2人に完全にコントロールされてしまうと思いました。結局、2人に会ったことを誰にも伝えず様子を見ることにして、沖縄へ帰ることにしました。


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