Sunday, June 12, 2016


次男の苦しみと悲しみ(29)名門クラブは、次男を苦しみさせながら潰してしまいました。


日本サッカー協会の規則により、次男のようなどこかのチームと契約のない選手たちが、最大限の331日までに日本国内で獲得してくれるチームを探さなければ、つぎに国内でチームを探せるのは夏の移籍期間(7月・8月)になってしまいます。次男や私のチーム探しは、残念な結果で終ってしまい、331日になっても、日本国内での次男を獲得してくれるチームはありませんでした。

41日、「日本選手会」から次男に、獲得してくれるチームが見つかったのかを確認する連絡がありました。次男が、まだ見つかっていないことを伝えると、「日本選手会」がアメリカの2部リーグのチームを紹介してくれました。次男がそのチームに興味があれば、4月から10月までの半年間契約となり、月給は約30万円という条件でした。次男は迷わずに日本選手会に紹介して頂くことにしました。日本選手会は、選手会と連携しているアメリカに滞在している日本人の直接連絡を入れるようにと次男に指示しました。次男は選手会の指示通り、その日本人と連絡を取り合いました。その結果、次男はそのアメリカのチームの練習に422日から58日までの2週間参加することが決まりました。

43日、次男はアメリカのチームの練習へ参加するため準備を始めることを、東京ヴェルディに伝え、東京ヴェルディの責任者にはその準備として東京ヴェルディと一緒に練習をさせて頂きたいとお願いしました。しかし、東京ヴェルディの責任者は、練習への参加を断わりました。次男は東京ヴェルディとの仲を修復しようと頑張りましたが、東京ヴェルディ側はその次男の行動に理解を示さず、次男は最後まで苦しみました。

次男はアメリカのチームの練習へ参加するため、友達の大学チームとの練習を行うことが出来ました。しかし残念なことに、次男はその大学のチームと練習をしている間にハムストリング(股の裏)を痛めてしまいました。そのとき、次男はすでにアメリカへ行く日程と準備を進めていたので、アメリカのチームを紹介してくれたアメリカ在住の日本人の方に相談をしました。その結果、この方の協力で、アメリカでの練習へ参加できる日程が422日から56日に伸ばすことが出来ました。さらに次男には、ハムストリングの治療が出来るようにとアメリカの有名なスポーツ怪我専門のメデイカルセンターを紹介してくれました。これで、次男はハムストリングの治療とアメリカのチームの練習に参加するため、426日にアメリカへ旅立ちました。

同日、次男はそのスポーツ怪我専門のメデイカルセンターに到着しました。このセンターでは、選手たちが自分の怪我を一刻も早く治すように、治療や宿泊や食事などの設備の全てがそろっていました。このセンターでは、初めて来た選手の健康診断と怪我の経歴を徹底的に調べます。427日から、10日間の治療の日程が始まりました。

まず初めに、健康診断と怪我の経歴を細かく調べられました。その結果、5年前の東京ヴェルディで悪化させられた怪我をかばうため、下半身のさまざまなところに悪い影響を与えていることが分かりました。その悪い影響の大きなものは、骨盤の「ゆがみ」です。骨盤の「ゆがみ」により、ハムストリングや膝や足首などの痛みが出てきて、そういう痛みを防ぐために2週間から4週間の治療とリハビリで骨盤の「ゆがみ」を治す必要があるという結果でした。

次男はアメリカのチームの練習へ参加する日程は56日になっていましたが、これに間に合うか心配をしながら治療とリハビリに励みました。アメリカのチームとの懸け橋になっている日本人の方が、チームの練習へ参加することを気にしないで、まずは怪我を治すことが一番大事だからと次男を励ましてくれました。

次男は2週間の治療とリハビリを終えました。しかし、骨盤の「ゆがみ」はまだ約70%しか元に戻っておらず、さらに2週間の治療とリハビリが必要という結果が出ました。完全に治るまでは激しい練習や試合などには参加しないように、という指示がありました。怪我を完全に治したいと思っていたものの、治療とリハビリにかかる費用は全て自費であったため、次男も私も金銭的な状況が悪化するところまで来てしまいました。それで仕方がなく、次男は治療とリハビリを続けず、アメリカのチームの練習へも参加せず、516日に日本へ帰国しました。

帰国した次男は、日本国民健康保険を利用して、残りの治療とリハビリを日本で続けようと考えていました。しかしそこには、さまざまな困難がありました。それは、日本にあるスポーツ怪我専門施設の規則では、日本代表の経験のない選手たちがそのスポーツ怪我専門施設を利用することが出来ないのです。別のスポーツ怪我専門の施設もありましたが、その施設では国民健康保険を利用することが出来ないため、治療費すべては自己負担となります。もし仮にその施設で治療やリハビリを受けた場合、1回の治療とリハビリにつき1万円の治療費が必要になります。さらに、スポーツ怪我の専門医師から診断を受けるために、2ヶ月ほど待たなければならない、ということもありました。このことから、日本で治療を行うためには、高い治療費と時間がかかることが分かりました。どうにか良心的な料金で治療を行えないかと、私と次男はさまざまな方法を調べ、また、いろいろな人に相談しました。その結果、1番ベストな方法として、ドイツとアメリカに行って治療を行うということでした。



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